室内鉄扉のキズ補修

先日、ECPの補修塗装に行きました。

当日、現場でゼネコンの監督から、ECP以外だけれどもお願いできないかと頼まれたのが室内ドアのキズ修理です。

わずかなキズです。


1×3㎜くらいの何かで突いたような凹みです。

塗装が取れて地が見えています。

通常なら、監督自ら筆で色を付けるだけでも良さそうなくらいの小さなキズです。

ですが、工場塗装品の鉄扉なので、これと同じように仕上げてほしいとのことです。

なるほど、それで私共に依頼してきたのですね。

スプレーガンで塗装し、元と同じ綺麗な平面の仕上を望んでいらっしゃるのです。

上の写真がアップのキズです。

こんな小さなキズでも仕事の難度は高いです。

下の写真をご覧ください。

キズは廊下側の吊り元、胸の高さ付近、廊下から室内側に開く扉です。

それなので難しいのです。

廊下側から扉の真横に立って見てみましょう。

それが下の写真です。

向こうに大きなガラス窓が並んでいます。

抜群の採光です。

窓からの光が正面から入ってきます。

扉を内に開け入口から入ろうとすると、その窓からの光によって扉の広い面をほぼ真横から見ることになるのです。

凹んでいるのでパテをします。

パテを平滑に研いでから塗装に掛かります。

まず、調色です。

メーカーから取り寄せた補修塗料が現物の塗装の色と合いません。

その塗料は監督が用意してくれたのですが、そのままでは使えませんのでこちらで調色します。

そして色が決まれば、ベースとそれをぼかして馴染ませる塗料を作ります。

それらを使ってスプレーガンで塗装した仕上りが下の写真です。

塗装したてのところにテープは貼れないので、矢印で高さを示しています。

青テープの矢印で示しているのが元のキズの高さです。

吊り元側から20~30㎜付近の箇所です。

写真では分かり難いので、動画で仕上りをご覧ください。

ほぼ塗装際は周囲に馴染んでいます。

ベースは手のひらくらいの面積を吹いています。

そして、ぼかして馴染ませる塗料をその周囲にひとまわり広く吹いています。

たったこれだけの小さなキズですが、けっこう神経を使います。

へたをすると、凹みも埋めずに筆で色を付けるだけの方がよっぽど綺麗じゃないか、って仕上りに対してクレームがつくことも考えられます。

スプレーは必ず元のキズより広い面積を塗装することになりますから、その仕上りが悪い場合は、元のキズよりも広く大きな瑕疵となるのです。

色、ツヤ、表面の状態に神経を使います。

周囲と馴染んで違和感が無いようにと。

いかがでしたでしょうか。

キズが小さくてもそのキズのある箇所や周囲の条件によって、修理の難度は違ってきます。

この度のように廊下側でなく、室内側にこのキズがあったとしたら、同じ作業をしたとしても神経の使い方が違っていたかもしれません。



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