メーカーが『籠(かご)』と称するエレベーターの箱の中。
内の壁はパネルが貼られています。
この度の案件は、そのパネルに残った拭き跡がどうしても取れないので、どうにかして欲しいとの依頼です。
実際に見てみますと、雑巾かウエスで拭いた跡が残っています。
薄いものは見る方向で見えたり見えなかったりするものも有りました。
どうしても取れないなんて、そんなことないだろうと拭いてみることにしました。
パネルが工場で塗られたメタリックの塗装仕様なので、塗膜を痛め無いように
溶解力の低い溶剤を使って拭いてみました。
弊社が使う溶剤の中で最も溶解力の低いものではびくともしません。
次にウレタンシンナーで拭きましたが同様です。
洗浄用シンナーではどうかと恐る恐る使いましたが、塗膜を痛める事はなかったのですが全く状態は変わりませんでした。
これ以上その場に持ち合わせの溶剤がありませんでしたし、有ったとしてもそれ以上のものは怖くて使えません。
ただ、拭いた後、溶剤が乾くまでの間は残っているはずの拭き跡が消えるのです。
それが分かったので、塗装することになりました。
クリヤーを塗って透明の膜が付けば見えなくなるだろうと判断し、クリヤーを塗装することになったのです。
私共としては広い面を塗装したくはなかった。
ホコリはつくだろうし、はたしてオリジナルの塗膜のような綺麗な塗り肌が出来るとは限りませんから、出来れば塗りたくはなかったのですが、この場合他の方法が無いと判断して塗装に踏み切りました。
8機あるエレベーターのうち3機に拭き跡がありますので、3機を塗装します。
3機とも、扉や操作盤のある出入口面と天井を除く三面を塗ることになります。
今までにもパネルを塗装したことはありましたが、それらはキズの補修だったので、パテをしたその周囲をぼかすように塗装したものばかりでした。
パネル1枚丸ごと塗装は経験がなかったと思います。
まして、三面とも塗装。しかもそれを3機も塗ることになろうとは。
この度は施工前後のディテールの写真がありません。
塗装風景とその直後を撮した動画と、塗装後に撮った籠全体の写真が有るだけですが、それらだけでもご覧戴こうと思いアップさせて戴きます。
まず塗装前処理として、洗浄剤でパネル全面の汚れを取り、細かな研磨材で全体を研磨します。
それから2液のウレタンクリヤーを使って塗装しました。
塗り上がりは予想よりもホコリの付着は少なく、塗り肌もオリジナルと遜色ない仕上がりになりましたので、メーカー担当からはOKをいただけました。
では、写真と動画を見て戴きましょう。
塗装後
いかがでしたでしょうか。
塗装中の写真や動画はスプレーダストが浮遊していて、白くかすんだようになっています。
屋外の施行写真とは違い、籠の中ですのでダストが抜けにくいのです。
送風機で外に排気出来るところであれば良いのですが、引渡直前の現場では色々と条件が難しいのが現状です。
いろんな条件で施工のやり難い現場もあります。
また、この度のように原因不明の瑕疵が見つかることもあります。
必ずしも解決できるわけではありませんが、どうしようって時は弊社にご相談戴ければ、今回のようにどうにかなるケースも無いわけではありません。
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