新築される校舎外壁に使われたECP(押出成形セメント板)の補修です。
このECPは研磨された表面に雨水などの吸い込みを防止する材料が施された、ECP素地の表情を生かした仕上げの押出成形セメント板です。
ECP(押出成形セメント板)素地仕上げの補修を紹介します。
二つの補修箇所を写真に記録しましたのでご覧ください。
どちらも、販工店の施工職人さんが、欠損箇所に樹脂モルタルを充填されていました。
それを素地風の色合いと肌合いに弊社で復元します。
まずは、充填された樹脂モルタルをより完全な平滑にするため、樹脂を再充填し研磨して平滑にします。
そうして平面が出来上がったのち、素地板の表情を復元するように塗装してまいります。
#補修箇所1 施工前
ここは、割れた破片を貼り戻し、欠損部に樹脂モルタルを充填したものと思われます。
予め弊社で樹脂を再充填し平滑にしております。
施工中
樹脂モルタル充填箇所とその周囲をぼかすように塗装してまいります。
完成
補修箇所が肉眼では分からないくらいに仕上がりました。
窓際にもう1箇所あります。
同様に復元してまいります。
#補修箇所2 施工前
完成
いかがでしたでしょうか。
ECP(押出成形セメント板)を補修する場合の色というのは、
現場塗装の場合、塗装業者さんが保管していますので、それを使わせて戴きます。
また、工場塗装品においては、工場で塗装した同じ塗料を使って塗装します。
しかし、ECP(押出成形セメント板)素地板の補修では、施された塗料が有りませんから、復元する色は我々の手で作らねばなりません。
そのECP(押出成形セメント板)素地の色は現場によって微妙に異なるので、色調整は毎回現場で行います。
メーカーの工場においては同じ色合いの製品を提供しようとご苦労なされていると思いますが、製造される温度や湿度等の環境条件で色合いが微妙に異なるそうです。
そういうところが、ECPの素地板の魅力のひとつですね。
天然の材料で作られているECP。
ECP(押出成形セメント板)は生き物と申しましょうか、まるで窯変する陶器のようです。
メーカーの工場では、厳格に管理された設備でECPが製造されていることと思います。
工場には伺ったことはありませんが、それは間違いないでしょう。
ECP(押出成形セメント板)は生き物と申しましょうか、
しかし、厳しく管理された条件下で製造されるECPが、かつての登り窯や穴窯で焼かれた陶器の雰囲気をまとっていると思うと、なんとも言えない親しみが湧いてくるのは私だけではないはずです。
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